東洋技研株式会社 代表取締役会長 花岡 孝
おかげさまで東洋技研株式会社は、2020年に創業50年という大きな節目を迎えました。昭和、平成、そして令和へと目まぐるしく変化してきた時代のなか、長きにわたり私たちに多くの温かいご支援・ご指導をくださったお客様、お取引業者様、地域の皆様、金融機関各社様、またこれまで企業拡大に力を尽くしてくれた全従業員とそのご家族の皆様に、心より深く御礼申し上げます。
幼少の頃より、ラジオをはじめさまざまな機械工作が何よりも好きだった私は、高校卒業後に、家業であったりんご農家の仕事に従事しながらも「ものづくりがしたい」との思いを抱き続けていました。りんごの農閑期には、以前からの知人で、後に法人化に伴い専務として長年従事していただいた 故 菅沼教治氏の紹介で、精密機械製造のお手伝いをしていました。そこで「ものづくりをしていきたいのなら」と端子台を紹介していただいたことが、創業の原点となります。
端子台自体は、戦後より大きくカタチが変わらないものでしたが、当時制御機器パーツを販売するメーカーに勤務して、全国を営業に飛び回っていた菅沼氏の「他社と大きく異なる製品をつくらないと市場では売れない」、しかも「メーカーになったほうがよい」という言葉に触発され、週に一度試作品を持参してはアドバイスを受けることを繰り返し行いました。「これなら売れる」と太鼓判を押され完成したのが約1年後。東洋技研が市場に先駆けて製品化を実現し、現在も販売を続けているネジアップ式端子台の「ATシリーズ」です。
この頃より、個人事業として端子台の製造を開始していきますが、創業時の工場は、わずか8畳間1部屋ほどのプレハブの建屋。繁忙になるとご近所の奥様方にも作業を手伝ってもらうことがしばしばありました。安定した生産と出荷の大変さを目のあたりにすることもありましたが、私はとにかくものづくりができることの喜びと楽しさに、寝食を忘れて没頭していきました。その後は徐々に製品の利点を市場に認められはじめ、全国的な信号機メーカーに弊社の端子台が採用されたことで一気に生産量が高まりました。
1977年には、東洋技研株式会社として法人化をスタート。この時から菅沼氏は営業として全国に販路を拡大し、私はものづくりに邁進する2軸体制で新たな端子台専業メーカーとしての歴史を刻み始めました。
「東洋技研」という名は、精密機械工業が盛んな創業地の諏訪が「東洋のスイス」と呼ばれていたことや、日本だけでなく東洋一の会社を目指していきたいとの思いから名付けました。指針を示す社是は「東洋技研は研究と努力に生きる」と定めました。これは、誰もが良いと認める製品を作るためにとことん研究し、努力を積み重ね成し得てきた私の経験から生まれた言葉であり、ものづくりに一番必要なことだと考えています。
また私は、創業時より設計から製造まで一貫して社内で出来ることにこだわり続けてきました。そのために実践してきたのが、製品の生産機を自社で設計・製造することです。より短い納期、そしてコストの安定化を図り、お客様には安心して末永くお付き合いいただけるように取り組んでおります。
現在、弊社の製品は40,000社を超えるユーザー様にご愛顧いただいております。私たちは現状に満足することなく、常に技術を進化させ、今後もお客様に常に信頼していただける「東洋技研」として、ものづくりに励んでいく所存でございます。今後とも、相変わらぬご指導・ご支援のほどお願い申し上げます。
東洋技研株式会社 代表取締役社長 関 高宏
弊社は2020年をもって、創業50周年を迎えることができました。
端子台メーカーとして長きにわたりこれまで順調に操業して来ることが出来たのも、ご愛顧いただいたお客様、そしてお取引業者様、地域の皆様、金融機関各社様のご支援・ご指導の賜物と、心より御礼申し上げます。そして今日の礎を築いていただいた諸先輩方、日々尽力してくれている全従業員とそのご家族の皆様にも深く感謝申し上げます。
東洋技研株式会社は、代表取締役会長である花岡孝の熱いものづくりへの思いが原動力です。彼の並々ならぬ探求心と努力が基盤となり、その魂に共鳴した従業員の力によって今日まで一貫して端子台製造を続け、日本有数のメーカーとして成長しました。
端子台という製品は、さまざまな建造物、電気・ガス・水道などのインフラ環境、交通機能を支える信号機、工業製品を生み出す生産工場など、社会の安定した機能に欠かせないものです。したがって私たちの製品の信頼性は揺るぎのないものでなければなりません。
この50年間は、創業者でもある花岡孝が自ら製品開発に携わり、その生産プロセスのすみずみにわたるまで陣頭指揮をとり、強いリーダーシップと決して屈することのないチャレンジスピリットをもって牽引してきました。花岡の熱意に呼応する従業員たちも技術力を高め、社会とお客様のニーズに応えるべく製品を提供してきました。
花岡がこだわり続けてきた設計から製造までの一貫した生産体制は、設計者自らが生産から加工までを行う一気通貫のスタイル。製品開発部門でも製品構造を熟知し、よりよい製品づくりへ進化させていくなど、すべての従業員がものづくりに対して「同じ熱量で仕事ができる」という代えがたい価値を生み出しました。さらにさまざまなニーズに迅速な対応ができる体制もつくり出しました。
いわば、“花岡イズム”によって、ものづくり企業としてあるべき姿を構築し、企業基盤を強固にしてきたからこそ現在の弊社の姿があると感じております。
今後、私たちが成すべきことは、このことを継承しながらも、新たなる企業価値をつくり出すことにほかなりません。社会はグローバル化、ボーダレス化がさらに進み、さまざまな新技術も開発されていきます。お客様の真の価値を追求することを目的とし、常に「研究と努力」を怠らない独自技術に磨きをかけ、これまで以上にお客様に感動していただける製品やサービスを提供できる提案力と技術力を兼ね備えた広い視野を持った高いレベルでのマーケティング力を向上させていくことが必要だと考えています。
またそのためには、柔軟に対応できる強い意志と実行力をもった次代を担う人材育成にも積極的に力を入れ、「ものづくりをする喜び」が常に満ち溢れた気運を維持していかなければなりません。次の100年に向け、継続できる活力ある企業づくりに努めていきます。そして、製品の一つひとつにこだわりを持ち、全国のお客様の期待に応える製品を提供する企業であり続けることを、お約束いたします。今後とも、相変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。